2023年10月11日、地域医療のリーダー人材を育成する「鞆の浦・地域医療プログラム2023」の第4回定例会が開催されました。
青木武士さん(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ代表取締役)、大塚祐太さん(福山市役所企画政策課)、山本尊也さん(福山市役所財政課)をお迎えし、「ヘルスケアビジネスの基本」と「官民連携のいろは」について学びを深めました。この記事では、第4回定例会の様子をお伝えします。
イベント概要
鞆の浦・地域医療プログラム2023 第4回定例会
主催:鞆のくらしの診療所、福山市地域おこし協力隊、福山観光旅行株式会社
日程 | 2023年10月11日(水)20:00 〜 21:30 |
開催場所 | オンラインZOOM、鞆の浦・燧冶 |
内容 | 講義:「ヘルスケアビジネスの基本」「官民連携のいろは」 |
参加者 | <講師> ※敬称略、順不同 青木武士(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ代表取締役) 大塚祐太(福山市役所企画政策課) <ゲスト> 山本尊也(福山市役所財政課) <受講生> 藤田日菜子(理学療法士) 飯塚純子(障害福祉事業所管理者・相談員) 不破花奈実(CS・看護師) 多治比 麻莉奈(看護師) 土井脩平(理学療法士) 光田栄子(医師) 槌田梨奈(作業療法士) 西原康平(看護師) 森田珠衣(介護職/作業療法士) 竹中萌(医師) 田辺裕雅(医師) 前田徳也(医師) 篠田和(医学生) 橘髙みなみ(医学生) 中尾光希(医学生) <スタッフ> 平岩千尋(鞆のくらしの診療所 / 藤井病院) 河村由実子(福山市地域おこし協力隊) 漆原治樹(福山観光旅行株式会社 代表取締役) 佐々木将人(理学療法士 / ワークショップデザイナー) 居城柚那(鞆の浦・さくらホーム) <協力> 羽田知世(鞆の浦・さくらホーム / 燧冶) <ボランティアスタッフ> 箕島実佳(鞆の浦・さくらホーム) 中川陽子 |
タイムスケジュール
◆ 10月11日
20:00 講師紹介
20:05 講義「ヘルスケアビジネスの基本」+質疑応答
20:45 講義「官民連携のいろは」+質疑応答
21:25 事務連絡
21:30 終了
講義レポート
ヘルスケアビジネスの基本
講師:青木武士さん(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ代表取締役)
造船会社でバイオマス発電事業等に携わった後、ソフトウェア開発会社を経て、(株)エス・エム・エスにて事業開発に携わり、M&Aやインキュベーションプログラムの運営を行う。また、訪問看護ステーションの設立・運営など医療・介護現場のオペレーション経験も有する。2016年にヘルスケア領域に注力したVCファンドを運営する株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズを立ち上げ、現在はその代表としてインパクト投資を実践している。
定例会の前半は、キャピタルメディカ・ベンチャーズ代表の青木武士さんによる「ヘルスケアビジネスの基本」の講義からスタートしました。青木さんは、ヘルスケア・ウェルネス領域に注力したVCファンドを複数運用しながら、インパクト投資を実践されています。
講義では、ヘルスケアビジネスの最も基本となる課題の深掘りに関するポイントや、セオリーオブチェンジ(以下、ToC)※1 を用いた考え方について伝えられました。
受講生からは「『世の中が解決してほしいと思う課題』がいつのまにか『自分のやりたいこと』に変わっていることに気付かされた」というコメントが多数聞かれました。さまざまなヘルシケアビジネスに向き合ってこられた青木さんのリアルな声から、地域課題に向き合う際のヒントがたくさん得られたようです。
※1)ToCとは、社会課題の解決を目指す企業・団体などが、事業がどう社会の変革に役立つのかについて、課題の構造・原因と、解決するための変化の理論・法則を図式化することです。どんな社会課題に向き合い、どういう未来像を目指し、どんな因果関係で社会状況を変化させ、定量的にどんな目標を掲げるかを定義します。
官民連携のいろは
講師:大塚祐太さん(福山市企画政策課)
広島県福山市出身。岡山大学経済学部を卒業後、2011年に福山市役所に入庁。農林水産業分野を経て、2019年度から企画政策課に配属。地域課題の解決や地域活性化に向けて、地域内外の多様な主体の関係構築などに取り組む。
ゲスト:山本尊也さん(福山市役所財政課)
広島県福山市出身。同志社大学文学部心理学科を卒業後、2012年に福山市役所に入庁。教育委員会事務局、保健福祉局、厚生労働省(派遣)を経て、2020年度から企画財政局に配属。官民連携による地方創生などに取り組む。
次に、「官民連携のいろは」に関する講義が行われました。福山市役所企画政策課の大塚祐太さんに加え、昨年まで企画政策課で活動されていた山本尊也さん(現 財政課)も駆けつけてくださいました。
講義では、官民連携における行政の基本姿勢や特有の文化、具体的な事例やアクション方法について丁寧に説明がありました。
行政の動機の大前提である公益性(官民連携が個別の企業・団体の利益のみに資するものになっていないか、市民にどのような価値を還元できるか)の重要性はもちろん、その他にも行政として大切にしているポイントが事例とともに紹介されました。
参加者からは、「行政の方々の視点を知れて大変学びになった」「官民連携のハードルが下がった」といった声が聞かれ、行政への理解が深まったことが伺えました。
まとめ
今回の定例会では、ヘルスケアスタートアップが向き合っている課題の深掘り方法と官民連携の要点について理解することを目標に、ヘルスケアビジネスの基本と官民連携について学びを深めました。
今後、受講生の皆さんは、本プログラムで学んだ知識や経験を活かしながら自身が貢献したい地域の課題に向き合い、12月の最終成果発表会まで準備をすすめていきます。
第5回定例会(11月6日、7日)は、鞆の浦学園の5年生のみなさんと一緒に地域に飛び出し、「地域診断」のフィールドワークを行います。
福山市地域おこし協力隊では、今後も本プログラムの様子を当サイトやSNS等で発信していきますので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。
関連サイト/SNS
・福山市地域おこし協力隊Instagram
・鞆の浦・地域医療プログラムInstagram
【取材・文=河村由実子、撮影=箕島実佳】
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