2023年11月6日と7日、地域医療のリーダー人材を育成する「鞆の浦・地域医療プログラム2023」の第5回定例会が開催されました。
志田千帆さん(NPO法人マナビエル 代表理事)、佐々木将人さん(ワークショップデザイナー)、平岩千尋さん(鞆のくらしの診療所 代表)を迎え、福山市立鞆の浦学園の5年生を対象に、子どもたちが家族や地域の人とともに健やかに暮らせる地域と健康について考える「子ども主体の地域診断プロジェクト」をおこないました。
この記事では、第5回定例会の様子をお伝えします。
イベント概要
鞆の浦・地域医療プログラム2023 第5回定例会
主催:鞆のくらしの診療所、福山市地域おこし協力隊、福山観光旅行株式会社
日程 | 2023年11月6日(月)13:00 〜 17:00 2023年11月7日(火)8:30 〜 14:00 |
開催場所 | 鞆の浦学園、鞆の浦・燧冶 |
内容 | 講義:「子ども主体の地域診断」 |
参加者 | <講師> ※敬称略、順不同 志田千帆(NPO法人マナビエル 代表理事) 佐々木将人(ワークショップデザイナー) 平岩千尋(鞆のくらしの診療所 代表) <受講生> 藤田日菜子(理学療法士) 飯塚純子(障害福祉事業所管理者・相談員) 不破花奈実(CS・看護師) 多治比 麻莉奈(看護師) 土井脩平(理学療法士) 光田栄子(医師) 槌田梨奈(作業療法士) 西原康平(看護師) 森田珠衣(介護職/作業療法士) 竹中萌(医師) 田辺裕雅(医師) 前田徳也(医師) 篠田和(医学生) 橘髙みなみ(医学生) 中尾光希(医学生) <スタッフ> 河村由実子(福山市地域おこし協力隊) 平岩千尋(鞆のくらしの診療所 代表) 漆原治樹(福山観光旅行株式会社 代表取締役) 佐々木将人(理学療法士 / ワークショップデザイナー) 居城柚那(鞆の浦・さくらホーム) <協力> 羽田知世(鞆の浦・さくらホーム / 燧冶) <ボランティア> 箕島実佳(鞆の浦・さくらホーム) 中川陽子 |
タイムスケジュール
◆ 11月6日
12:30 事前説明「地域診断」
13:30 小学校で授業開始、グループに分かれてインタビュー
15:30 振り返り
16:00 講義「子どもとの関わり方」
17:00 終了
18:30 懇親会
◆ 11月7日
8:40 講義「BPSモデル」、インタビューの分析、健康カード作成、発表、振り返り
12:00 授業終了
13:00 振り返り
14:00 解散
講師紹介
志田千帆さん(NPO法人マナビエル 代表理事)
ワークショップデザイナー、社会教育士、キャリアコンサルタント、横浜市学校地域コーディネーター。生まれも育ちも横浜市。大学で建築学を学んだのち、株式会社INAX(現在の㈱LIXIL)で提案・相談業務に15年従事、延べ5,000件の施主様や業者様と直接接する。暮らし方や価値観の多様性を知り、その相手に必要な情報を選びわかりやすく伝えるスキルを身につける。その後フリーになり、収納計画相談や講師などの活動を通して、ますます「伝える力」の大切さを感じ説明力の手法を学ぶ。2018年にNPO法人マナビエルを設立、自分らしい言葉の表現のサポートを開始。現在は「自分を言葉で伝える力」、さらにキャリア形成において豊かな言語化を通した自己実現を支援する。
佐々木将人さん(ワークショップデザイナー)
1990年大阪府枚方市生まれ。訪問看護ステーション・療養型病院を経て、訪問診療所で診療同行セラピストとして勤務。理学療法士として働きながら組織内の関係性構築を目的としたワークショップを担当する。また、日本最大級介護のコミュニティ「KAIGO LEADERS」でコミュニティマネージャーを務める。ワークショップや対話などの手段を用い、人と人との有機的な関わり・つながりの創出と場の活性化を目指す。
平岩千尋さん(鞆のくらしの診療所 代表)
家庭医療専門医・指導医、認定内科医、日本医師会認定産業医。広島県福山市鞆町にある藤井病院にて外来診療、入院診療、在宅診療に従事する傍ら、地域の学校である鞆の浦学園の学校医としても活動している。自分自身が楽しみながら地域に関わることを大切にしている。
【1日目:インタビューワーク】
11月6日の午前中は、小学校でインタビューの練習。おばあちゃん姿の平岩千尋さんが登場し、子どもたちは高齢者のお困りごとを聞き出すための練習をおこないました。
午後は、3つのグループに分かれて地域の高齢者にインタビューに出かけました。初対面の高齢者の方々から話を聞かせてもらうこと、さらには困っていることや健康課題を探すように話を聞くのは至難の技。子どもたちは、試行錯誤しながら取り組みました。
【2日目:健康カード作成ワーク】
1日目に聞かせてもらった話の記憶やメモをもとに、困りごとを見つけていくワークをおこないました。「〇〇ができなくなると、どうして困るんだろう」と、子どもたちは想像力豊かに考えます。さらに、困りごとに対して、「自分たちには何ができるのか」とアクションプランも考えてくれました。
既成概念や固定観念にとらわれない柔らかい頭で考えたアクションプランは、わくわくさせられるものばかりでした。
地域医療プログラムの参加者からは、「子どもと大人がともに学ぶことで気づくこと、与えられるものがある」「自分の住むまちのことを自分たちで考えるきっかけがあることが素晴らしい」などの声が聞かれ、貴重な経験となったことが伺えました。
まとめ
今回の定例会では、子どもや学校との関わり方、地域診断の実践について理解することを目標に、鞆の浦学園5年生の子どもたちと一緒に地域診断のワークショップをおこないました。2日間にわたり子どもたちと一緒にワークをおこなったことで、さまざまな気づきが得られたようです。
今後、受講生の皆さんは、本プログラムで学んだ知識や経験を活かしながら自身が貢献したい地域の課題に向き合い、12月の最終成果発表会まで準備をすすめていきます。
最終回である第6回定例会(12月2日、3日)は、鞆の浦・燧冶に集結し、受講生自身が貢献したい地域の課題と今後のアクションを発表します。
福山市地域おこし協力隊では、今後も本プログラムの様子を当サイトやSNS等で発信していきますので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。
関連サイト/SNS
・福山市地域おこし協力隊Instagram
・鞆の浦・地域医療プログラムInstagram
【撮影=山本尊也】
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