2022年11月21日 (月) 〜22日(火)、鞆のくらしの診療所(任意団体、代表:平岩千尋医師)は、市内外の関係者と協力し、福山市立鞆の浦学園の5年生20名を対象に、子どもたちが家族や地域の人と共に健やかに暮らせる地域について考えるワークショップ「子ども主体の地域診断プロジェクト」を開催しました。
本記事では、2日間にわたるワークショップの様子を紹介します。
(福山市地域おこし協力隊は、プロジェクト発足時のサポートとディレクション、当日の運営サポートと広報をお手伝いさせていただきました)
プロジェクト概要
■ 日時:
2022年11月21日(月)1時間目〜4時間目(8:45〜12:15)
2022年11月22日(火)1時間目〜4時間目(8:45〜12:15)
■ 開催場所:
鞆の浦学園、鞆の浦・さくらホーム(グループホーム、デイサービス、小規模多機能サービス、居宅介護支援事業)
■ 対象学年:5年生(20名)
■ 内容:
11月21日 「地域の方へのインタビュー」
地域の方へのインタビューを通じて、地域の特性や暮らしの課題を子どもたちの視点で発見します。
11月22日「健康カードの作成」
地域の方へのインタビューを踏まえ、地域の特性や暮らしの課題が健康に及ぼす影響を「健康カード」にまとめるとともに、子どもたち同士で共有し、意見やアイデアを交わします。
■ プロジェクト体制:
主 催:任意団)鞆のくらしの診療所
運営企画:NPO法人マナビエル
協 力:福山市立鞆の浦学園、さくらホーム、福山市、福山市地域おこし協力隊
協 賛:五洋医療器株式会社、ヘルスケアSHIP、株式会社Flow Organize、エピローグコンサルティング株式会社、合同会社ろいやるはうすマーケティング、藤井病院
プロジェクトの目的
子ども主体の地域診断プロジェクトは、身近な大人の健康課題に向き合うことで、子どもたち自らの健康にも目を向けられるようになることを目的としています。
実践!地域の方へのインタビュー
【11月21日(月)】
1・2時間目は、教室でインタビューの方法について学びました。講師は、NPO法人マナビエルのみなさん。子どもたちにも分かりやすいように、実演も含めて教えて下さいました。
その後、実際にインタビューする「体」「心」「生活」それぞれの項目に関する質問を、グループごとに設計しました。
3・4時間目は実際に鞆の町に飛び出し、キッズインタビュワーとして地域の方々にお話を伺いました。
グループは全3つ。地域のサロンや病院に通院中の方に協力いただき、インタビューを実施しました。
最初はお互いに緊張している場面もありましたが、次第にうちとけ、自らの興味で子どもならではの素晴らしい質問が飛び出していました。
インタビュー後は学校に戻り、メモしきれなかったことを整理しました。
初日のワークショップはここまで。
ご協力頂いた道越サロンの皆様、平サロンの皆様、藤井病院の外来に通院されている患者様、ありがとうございました。
健康カードの作成
前日の地域の方へのインタビューを踏まえ、地域の特性や暮らしの課題が健康に及ぼす影響を「健康カード」にまとめ、子どもたち同士で意見やアイデアを共有しました。
インタビューで聞いた「健康」だったことと「不健康」だったことを分類し、さらに地域の方々のお困りごとを分析して、「あなたは何が出来ますか?」という個人単位に落とし込んだアクションプランを作成しました。
参加した児童からは、「車に乗れなくなったおばあちゃん」や「膝が痛くて畑作りが難しくなってきているおばあちゃん」の今と未来のお困り事とそれに対するプランが発表されました。
鞆の家庭医・平岩医師によるお話や、東京の理学療法士・佐々木さんによる東京都町田市の事例紹介では、地域診断について非常に分かりやすく説明され、子どもたちの理解も深まりました。
最後は皆で円になって振り返り。
「高齢者の方ともっと関わりたい」「私たちが地域のサロンに行けばいいじゃん」など、鞆の未来を明るく感じさせるような素晴らしいコメントが飛び出しました。
まとめ
2日間に渡って実施された、子どもたちが家族や地域の人と共に健やかに暮らせる地域について考えるワークショップ「子ども主体の地域診断プロジェクト」。
身近な大人の健康課題に向き合った子どもたちは、何を思い、何を感じ、何を実現していくのでしょうか。
継続的な活動となるよう、しっかりとまとめや振り返りを行っていこうと運営メンバーの方々の今後の意気込みもみられました。
【取材・文=河村由実子】
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